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 どこでもクーラー【その1】は、その後動かなくなってしまいました。原因はよくわかりませんが、

  • 基板の部分なども含め、いろいろといじくった

  • コンプレッサーを横置きにしてその上から冷却のための水をかけたために、内部(電気コードなどの接続部)に水が入ったのかもしれない

  • もともと古い商品だったので寿命だった

などが考えられます。

 (後日談: 本当の原因は、縦置きに設置しなければならないコンプレッサーを横置きにしたことでした。《2cv6はエアコン無し(#94)》様より、詳しく教えていただきました。)

 そこで、もう一度どこでもクーラーを購入し、今度は必要最小限度の改造に限定することにしました。具体的には、

(1) 高さは【その1】と同じく45cm程度にする

(2) コンプレッサーは本来の縦置きのままとする

(3) コンプレッサーの冷却対策を考える

​というものです。

 上記の(1)と(2)を同時に満たすためには、コンプレッサーを本体の外に出す必要があります。このアイデアは、azuminoさんのサイトより頂戴しました。

 どこでもクーラーは、【その1】と同じくオークションで競り落としました。今度は2014年製のもので、とてもきれいな状態でした。ほとんど掃除をせずに済み、改造するのがもったいないくらいでした。

 まずは、改造が完成した姿を見ていただきましょう。写真(左)は左側面、写真(中)は正面から、そして写真(右)が上から見た姿です。

 コンプレッサーがむき出しになっていますが、車内に設置すればこのコンプレッサーは見えなくなりますから、問題ありません。

 コンプレッサーを取り出すところまでは、【その1】と同じ手順です。今回の作業で一番大変なのは、どのように銅管を曲げればうまく本体の外側に出せるかというところです。

 すでに曲がっている部分には力を加えず、まっすぐな部分が大きな弧を描くように曲げていきながら、最終的にコンプレッサーが本体の横に縦置きになるようにするのです。頭の中で、何度もシミュレーションをしました。

 本体の外に取り出したコンプレッサーは板に固定し、この板の上に(高さを低くした)本体を載せてベルトで固定することにしました。

 コンプレッサーは、板から少し浮かさないと底の部分が板に接触してしまうので、厚さ6mmのフェルトを敷いて(3か所)その上に載せることにしました。

 もう一度正面から。

 この状態で、本体に向かって右側の吸気部の気温と正面から吹き出す冷気の温度とを測定してみたところ、その差は約-10℃となり、メーカーが示している規格通りの冷却ができていることが確認できました。

 次に実施したのが、コンプレッサーの冷却対策です。今回は、「空冷式」にすることにしました。

 写真のように、厚さ0.1mmのアルミ板を3cm×11cmに切ったものをたくさん作り、それぞれの4か所に小さな穴をあけました。さらに、断面が「コの字」形になるよう、縦方向に1cm幅で折り曲げました。

 アルミ板にあけた小さな穴にステンレスの針金を通し、円筒形につなぎました。

 円筒形につないだものをコンプレッサーに巻きつけ、ステンレスの針金を引き締めて密着させました。これで、表面積が5倍程度に増えたことになります。

 最後に、冷却用のファンを取りつけました。このファンは、パソコンの冷却用のものです。直流12Vで動きます。

 どこでもクーラーを置く場所は【その1】と同じく、運転席の真後ろです。本体を斜めに置くことで、吸気部とコンプレッサーの周辺に、運転席側に開いた空間ができます。ここはダクトの周囲の隙間を通して車外につながっていますから、入ってくる外気とともにコンプレッサーからの放熱を取り込んでいます。

​ 今回のどこでもクーラーには、製品本来のダクトがついていました。これが直径100mmのアルミのダクトより少しだけ太かったので、写真のように、アルミのダクトにかぶせることで断熱効果を高めています。

 さて、肝心の冷房効果はどうなのでしょうか。

 2018年の7月は毎日のように猛暑日が続きました。今までならこんな暑い時期に車中泊はしないのですが、「どこでもクーラー【その2】」の性能を試してみたくなり、無謀にも3泊4日の車中泊をしてみました。長野、甲府、静岡の3か所です。一晩中動かすにはバッテリーが持ちそうにありませんでしたので、「RVパーク」という、100V電源が使える施設を利用しました。
 結果は、熱帯夜続きの夜にもかかわらず、車内では十分な冷房効果が証明されました。朝方になれば、最も弱い風量でも直接冷気が当たると寒いくらいでしたので、タオルケットにこもっていました。

 「どこでもクーラー【その2】」は今も元気に動いています。とても満足しています。

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